ベトナム人は真面目で、勤勉とよく言われる。そのため、会社選びに関しても、真面目なベトナム人は同じ会社に貢献し働き続けると考える人が多い。しかし、実際のベトナム人は離職率は高く、労働現況の調査によると1年間のベトナムの転職率は約20%にも昇る。
転職の理由は人によって様々であるが、ほとんどの理由は下記の4通りに当てはまることが多い。
①ダイナミックな環境で働きたい。
ベトナム人の平均的な考え方に、若い間はたくさんの経験をたくさんの会社でつんだほうがよいという考え方がある。転職することにより、スキルアップやキャリアアップになると考えているベトナム人が多いのが事実である。同一企業で5年から10年働いていた人も、転職する理由の多くは、新しい環境で違う業務を通してもっと学びたいといったものである。こういったことを転職理由の一つにあげるベトナム人は多く見られる。
②昇進したい。
昇進したいというのは働いていた会社に対して、与えられた役職に不満を持っていることが多い。これは小さい規模の会社で働いていた人に多く見られる考え方である。大きい規模の会社へ転職すると、今までの経験を生かして、今まで以上の役職に就けると考えている。この理由には働いていた会社よりも、もっと景気が良く、成長しそうな会社に転職することも含まれる。
③給料が能力に見合わない。
この給料が能力に見合わないという理由は、②と重なる部分がある。給料は労働者にとって欠かせない要素である。給料が社員の能力・経験に見合わないと考える人は転職する動機へと繋がる。インフレが激しいベトナムでは生活費、家族のための費用、子供の養育費・医療費などの負担に見合った給与が必要だと考えるからである。
しかし、ここ最近の傾向としては給料が低いというだけでの転職理由は減少傾向にある。つまり、複合的な理由の一つとして給料も上げたいという動機理由になっており、給料が低くてやられないといった理由だけをあげる人は、昨年に比べれば圧倒的に少なくなっている。
④勤務場所が遠い。
ベトナム人にとって勤務場所は非常に重要である。製造業の場合は市内から離れている工業団地に会社(工場)を設立する企業が多く、郊外の勤務場所は距離がある為、市内の企業へ転職する傾向がある。通勤送迎がある場合であっても、朝早く起きなければならないことや、通勤時間が長く、また通勤ラッシュに捕まるなどの問題が生じる。通勤送迎がない場合、労働者は工場付近に住む必要があり、家族を大切るにする実家住まいのベトナム人とっては大きな問題である。この理由は、結婚や妊娠、育児など勤務している間に生活環境が変わりやすい女性に多い理由である。